土から出たばかりの双葉を見て、「これは将来サクラになる」「これはマツになる」と言い当てられる人はいません。それでも、双葉は確かに伸びようとしています。人は伸びゆく双葉である——これは、私がすべての活動の土台に置いている一つの捉え方です。何になるかがまだ見えていないことは、力が無いことの証拠ではなく、双葉という段階そのものの性質です。
定義
一般的に「双葉」という言葉は、植物の発芽の最初の段階を指す言葉として使われます。本葉が出る前の、二枚の小さな葉のことです。双葉の時点では、それが最終的にどんな花を咲かせる木になるのか、外からは判断できません。
シンカランドでは、この双葉という段階そのものを、人の在り方の比喩として大切に扱っています。大樹でも、花でもなく、あえて双葉という言葉を選んでいるのには理由があります。大樹や花は完成形をイメージさせますが、双葉はまだ何になるか分からない、けれど確かに伸びようとしている力そのものを表します。人もまた、最終的にどんな形になるのかをあらかじめ知っているわけではありません。それでも、内側では確かに伸びようとする力が働いています。「人は伸びゆく双葉である」という言葉は、この二つ——まだ形が見えていないことと、それでも伸びようとしている力が確かにあること——を、同時に指し示す言葉です。
この捉え方が実際の生活で意味を持つのは、多くの人が、他人の評価や、社会が用意した物語や、これまでの成功や失敗の記憶という、いわば借り物の枠組みを通して自分を見てしまう時です。その枠組みの中だけで自分を見ていると、自分自身の反応や、違和感や、まだ言葉にならない願いを見失いやすくなります。しかし、その枠組みから少し距離を取ってみると、今度は自分自身の目で、自分の状況や世界を見直せるようになります。そしてこの、自分の目で見直すという行為そのものが、実は「双葉が伸びようとする力」のもう一つの現れです。伸びようとする力と、自分の目で世界を見直す力は、別々の二つのものではなく、同じ一つの現象の両面です。内側ですでに動き始めているその力に気づけるようになると、それは知識としてではなく、本人自身の言葉や、判断や、実際の行動として扱えるようになっていきます。
よくある誤解
双葉という言葉は、まだ何者でもない未熟さを表している
「双葉」という言葉から、まだ発展途上で、成長しきっていない状態を連想する人がいます。しかし、ここで言う双葉は、未熟さや欠けている状態を指すものではありません。双葉の段階でも、伸びようとする力は既に十分に働いています。まだ形が見えていないことと、力が足りないことは、別の話です。
何になるかが早く分かるほど、成長が早い証拠だ
「何になりたいかを早く見つけた人ほど、成長が早い」と考えられがちです。しかし、双葉の段階では、何の木になるかが外から見えないのは自然なことであり、遅れているサインではありません。むしろ、見えないまま伸びようとする力に丁寧に付き合っていくことのほうが、後になって形がはっきりしてくる土台になります。
双葉である間は、まだ本当の自分ではない
双葉の段階を、いずれ本当の自分にたどり着くまでの仮の姿だと捉えてしまうことがあります。しかし、双葉は仮の姿ではなく、伸び続けるという在り方そのものです。大樹になった後も、伸びようとする力が働いている限り、その人は伸びゆく双葉のままです。完成して伸びるのをやめる地点があるわけではありません。
FAQ
双葉とはどういう意味ですか?
植物の発芽の最初の段階を指す言葉です。シンカランドでは、まだ何になるか分からない、けれど確かに伸びようとしている人の在り方そのものを表す言葉として使っています。
「人は伸びゆく双葉である」とはどういう意味ですか?
人はあらかじめ完成した姿を持っているのではなく、常に伸び続けている存在だという捉え方です。何になるかが先に決まっているのではなく、伸びようとする力がまず先にあり、形はその先に現れてくるという順番を表しています。
なぜ大樹や花ではなく、双葉という言葉が選ばれているのですか?
大樹や花は完成した状態をイメージさせますが、双葉は「まだ何になるか分からないが、確かに伸びようとしている」という状態そのものを表せる言葉だからです。人の在り方を表すには、完成形よりもこの進行形の言葉のほうが実感に近いと考えています。
双葉と形成傾向はどう違いますか?
双葉は、人がまだ何になるか分からないまま伸び続けているという在り方そのものを表す言葉です。形成傾向は、その伸びようとする力がどこから来ているのかを説明する、もう一段深い捉え方です。双葉が姿の比喩で、形成傾向はその姿を動かしている力の名前だと考えると分かりやすいです。
いつまで双葉のままなのですか?
特定の時期で終わるものではありません。伸びようとする力が働いている限り、その人は伸びゆく双葉であり続けます。何かを成し遂げた後も、新しい伸び方が現れ続けることは自然なことです。
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